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【元当事者が解説】ひきこもりと生活保護のリアル。条件や一人暮らし・扶養照会の対策

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「親が倒れたら生きていけない」という深い経済的不安

「残高が少しずつ減っていく通帳を見るたびに足元がすくむような思いがする」「もし高齢の親が明日急に倒れたら自分はどのようにして生活費を支払えばいいのだろう」と、自室の中で逃げ場のないお金の恐怖に苛まれていませんか?社会との関わりを失った状態でお金の心配が押し寄せると、脳はパニックを起こし、ただただ絶望的な気持ちで布団をかぶることしかできなくなってしまいます。元当事者である私自身も、過去にお部屋の中で将来の生活費への不安で押し潰されそうになり、生きていること自体にお金がかかるという現実に恐れおののいていた時期があるため、その言葉にできない恐怖心は痛いほどよく理解できます。

経済的な不安は、人間の思考力や行動力を奪い去る最大の要因です。しかし、最初にお伝えしたい大切な考え方は、どれほど部屋から出られず仕事ができない状態であったとしても、日本には憲法に守られた公的な経済的セーフティネットが存在するということです。「働いていない自分には助けを求める権利すらないのではないか」と自分を追い詰めるのを一度やめ、正当な権利として用意されている制度の本来の仕組みを正しく知ることから始めていきましょう。

ひきこもりでも生活保護を受給することは可能なのか

結論から申し上げますと、ひきこもり状態にあることや働いていないこと自体が、生活保護の申請や受給を拒否される直接の理由になることはありません。生活保護は困窮するすべての国民に対して、その困窮の程度に応じた必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的とした公的制度だからです。

世間で思われているような、怠けているから受給できないといった考え方は大きな誤解です。対人恐怖や強い不安障害、心の疲弊によって現時点で働くことが困難であり、活用できる預貯金や資産が底をついている状態であれば、受給に向けた公的な支援対象となります。ただし、生活保護の支給判断や個別の要件審査は、お住まいの自治体に設置されている福祉事務所(役所の福祉課)が法に基づいて最終的な決定を行いますので、自己判断で諦めてしまわず役所の窓口で直接確認することが重要になります。

実家暮らし(同居)と一人暮らしでの申請の大きな違い

生活保護を検討する上で、最も理解しておくべき基本原則が、個人単位ではなく世帯単位で認定が行われるという点です。当事者本人がどのような住環境で暮らしているかによって、申請のハードルの高さが大きく変わってきます。

同居の場合は「世帯全体の収入」が審査の対象になる

当事者の方が実家で親御さんと一緒に暮らしている場合、本人に収入や貯金が一切なかったとしても、原則として同居している世帯全体の収入や資産を合算して判定されることになります。親御さんに一定の年金収入や働いて得た給与があり、世帯全体として国の定める最低生活費を超えている場合、原則として世帯全員での生活保護を受給することはできません。

本人にお金がないからといって、親と同居したまま子どもだけを単独で生活保護の対象にすることは、制度の構造上非常に難しいのが現実です。実家暮らしのままお金の悩みを解決しようとすると、家族間での経済的な不調和が生じやすく、問題が先送りされてしまいがちです。

自立に向けた第一歩としての「世帯分離」という考え方

実家暮らしの中で選択肢として挙がることがあるのが、住民票上の世帯を分ける世帯分離という手続きです。しかし、同じ家の中で暮らしながら書類の上だけで世帯を分けたとしても、生活保護上の世帯分離として役所から認定されるケースはごく稀です。食事や光熱費などの生計が完全に分離している実態や、親御さん側にも病気や高齢などの事情があり養育することが困難であるといった厳しい要件が求められるからです。

そのため、より確実で現実的なアプローチとしては、まず実家を出て賃貸アパートなどを契約し、一人暮らしの生活形態を作った上で単身世帯として申請を行うアプローチが一般的となります。どうしても引越し費用や初期費用を用意するのが難しい場合であっても、事前にお住まいの公的窓口に相談することで、どのような手順を踏めば安全に単身世帯へ移行できるか助言を受けることができます。

最も怖い「扶養照会」のリアルと対処法

生活保護の申請を検討する際、多くの当事者やご家族にとって最も大きな心理的ブレーキとなるのが扶養照会という手続きです。

親族に知られたくないという強い恐怖心

扶養照会とは、福祉事務所から当事者の親や子ども、きょうだいなどの直系血族に対して、金銭的な援助が可能かどうかを問い合わせる書面を直接郵送する仕組みのことです。「離れて暮らすきょうだいに知られたら迷惑がかかる」「親族に知られたら顔向けできない」という恐怖心から、生活保護の申請を断念してしまう方が後を絶ちません。

自分が生活に困窮している現実を親族に知られることは、強い羞恥心や申し訳なさを伴うため、最も越えがたい壁に感じられるのは当然のことです。しかし、この扶養照会という壁の裏側にある運用指針の変更や例外条件を正しく知っておくことで、過度な恐怖を和らげることができます。

扶養照会は条件次第で回避できるケースもある

現在の厚生労働省の運用指針では、扶養照会は絶対に義務付けられているわけではなく、事前の聞き取りによって弾力的な運用が可能となっています。例えば、過去に親族から虐待やDVを受けていた場合や、長年にわたって連絡が途絶えており著しく関係性が断絶している場合、親族自身が要支援者であって経済的な援助の見込みが明らかにゼロであると判断される場合などでは、本人の申出に基づき扶養照会を行わない対応をとることが認められています。

福祉事務所の担当者に対して、自分の家族関係やこれまでの経緯、連絡がいった場合のリスクを隠さずに誠実に伝えることが重要です。個別の状況に応じて扶養照会を行わずに手続きを進めてもらえる道が存在するため、一人で思い悩んで諦めてしまうのは非常にもったいないことです。

生活保護は恥ではない。命を繋ぐための正当な権利

生活保護という制度に対して、世間の風当たりの強さや「生活保護を受ける自分は情けない人間だ」という強い罪悪感を持つ必要は全くありません。生活保護は怠け者のための仕組みではなく、人生の困難に直面して身動きが取れなくなった国民が、人間としての尊厳を保ちながら安全に息を吹き返すための大切な命綱です。

一度公的な経済支援を受けて生活の土台を安定させることは、決して人生の終わりや諦めではなく、止まっていた時間を取り戻し、自分らしい人生を再再起動させるための前向きで安全な休息期間を手に入れる行為です。お金の不安が解消されて初めて、人は今後の生き方や仕事について冷静に考えられる心のゆとりを取り戻すことができるのです。

まずはお住まいの自治体の「自立相談支援窓口」へ行く

役所の生活保護担当窓口(保護課など)へ一人で向かうのが怖くて足がすくむ場合は、いきなり申請窓口へ行かず、手前のワンステップとなる公的窓口を活用することをおすすめします。各自治体には生活困窮者自立支援法に基づいて設置された自立相談支援機関(くらしの相談窓口など)が存在します。

ここは生活全般の困りごとを包括的に受け止めてくれる公的な拠点であり、現在の所持金や生活状況を丁寧に整理してくれます。自立相談支援機関の担当者が親身になって話を聞いてくれ、必要に応じて生活保護の窓口への相談に同行してくれたり、適切な公的制度へ繋いでくれたりするため、精神的な負担を格段に減らすことができます。絶対に一人で抱え込まず、まずはこうした安全な相談窓口の扉を叩いてみてください。

生活の不安が和らいだら。年代別の「次の一歩」への選択肢

公的な支援や安全網によってお金の不安が少しずつ解消されると、それまで張り詰めていた心の緊張がほどけ、部屋の外や自分の未来に対して少しずつ目を向けるエネルギーが湧いてきます。

経済的な不安が少しでも和らぎ、生きていくための安全網があるのだと安心できたら、次はご自宅から踏み出せる具体的な選択肢があります。小中学生なら自宅でのオンライン学習、高校生なら通信制高校、大人なら無理のない在宅ワークや就労移行支援など、年代や状況に合わせた安全な選択肢が必ず用意されています。以下の記事を参考に、焦らず次の一歩を踏み出してみてください。

>>【小中学生向け】自宅学習の「出席扱い」と安心できる居場所の探し方

>>【高校生向け】通信制高校で確実に高卒資格を取る方法!選び方と資料請求の手順

>>【大人向け】ひきこもりから無理なく社会復帰する仕事選び!空白期間や対人不安を乗り越える方法

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