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ひきこもりの子どもが「暴れる・暴力を振るう」SOSのサイン
「自室のドアや壁を激しく叩く大きな音が家中に響き渡り、毎晩ビクビクしながら過ごしている」
「物に当たり散らすだけでなく、親である自分に対して直接手を上げるようになり、恐怖で生きた心地がしない」と、家庭内で誰にも言えない暴力の恐怖に晒され、精神の限界を迎えていませんか?
家庭内暴力という重いテーマは、「近所に知られたらどうしよう」「自分の育て方が悪かったからだ」という強い羞恥心や罪悪感から、周囲に相談できず家の中に問題を閉じ込めてしまいがちです。
元当事者である私自身も、過去に長い間自室に閉じこもっていた時期、自分の情けなさと社会への猛烈な恐怖が抑えきれなくなり、部屋の壁を蹴り飛ばしたり家族に対して荒々しい言葉をぶつけてしまった経験があるため、暴れる本人の錯乱した心理と、それに怯えるご家族の苦しみの双方の生々しさは痛いほどよく分かります。
しかし、最初にお伝えしたい最も重要な事実は、家族だけで暴力の問題を抑え込もうとすることは絶対に不可能であり、今すぐ外部の力を借りなければならない危険なサインであるということです。
まずは、子どもがなぜ暴れてしまうのか、その激しい怒りの奥底に隠された当事者の心理構造を理解することから始めていきましょう。
単なる怒りではない。言葉にできない強い絶望と自己否定
外から見れば「自分の思い通りにならないから暴れている」「親を脅かして楽をしようとしている」ように映るかもしれませんが、当事者の内面で起きているのは暴走した激しい葛藤と自己否定です。
「なぜ自分は普通に働くことができないのか」「同年代の人間は社会で活躍しているのに、自分は部屋で停滞している」という激しい焦りと、将来への底知れない絶望感が脳内を支配しています。
そうした圧倒的なネガティブ感情を言葉でうまく整理して伝えることができず、頭の許容量を超えてパニックを起こした結果、怒りの爆発という形で外部へ噴き出してしまうのです。
暴力を振るった直後、当事者本人は強い自己嫌悪と罪悪感に打ちのめされ、「またやってしまった」「自分は本当の怪物だ」と自室で一人、頭を抱えて絶望を深めています。
暴力とは、決して余裕があるから行っているものではなく、追い詰められた精神が発している悲痛な悲鳴であり壊れかけたSOSのサインなのです。
親への暴力は「甘え」と「見捨てられる恐怖」の裏返し
なぜ外部の人間には暴力を振るわず、最も身近であるはずの親や家族にばかり暴れるのかという点も、ご家族を深く傷つける大きな疑問です。
これは、当事者にとって家族という存在が「自分のどんな醜い感情をぶつけても、最後には見捨てずに受け止めてくれるはずだ」という過剰な甘えと依存の対象になっているからです。
同時に、親の何気ない一言や溜息、視線を感じた瞬間に、「親からもいよいよ見捨てられるのではないか」「自分は家族から不要な存在だと思われている」という激しい拒絶恐怖が発動します。
その見捨てられる恐怖から自分を守るための先制攻撃として、家庭内で暴れるという最悪の防衛本能が働いてしまうケースが極めて多いのです。
愛情や依存が屈折し、恐怖と裏腹になって暴発している状態であり、この悪循環を家庭内だけで解きほぐすことは極めて困難です。
家庭内暴力が起きた時に家族が取るべき「安全確保」の鉄則
家庭内で暴力や物が壊される事態が発生したとき、ご家族が最優先すべきなのは「問題を解決すること」でも「説得すること」でもなく、ただ一つ「家族自身の身体と生命の安全を守ること」です。
正論で言い返したり、力で押さえつけようとしない
興奮して暴れている当事者に対して、「警察を呼ぶわよ」「そんなことをして恥ずかしくないのか」と正論で詰め寄ったり、感情的に怒り返すことは火に油を注ぐ最も危険な行為です。
興奮状態にある脳は論理的な思考や説得を受け入れることができず、親の反論を「自分への攻撃」と認識してさらに暴力をエスカレートさせます。
また、父親や兄弟が力ずくで当事者を押さえつけようと格闘することも、お互いに大きな怪我を負う事故に繋がるため絶対に避けてください。
暴れ始めた瞬間は、一切の議論や説得を諦め、静かに距離を取ることに全集中する必要があります。
家族の命を守るため、ためらわずに物理的な距離を取る(避難する)
危険を感じた場合、最優先すべき行動は「家から外へ避難すること」です。
自室に鍵をかけて閉じこもるか、携帯電話と貴重品だけを持って家を飛び出し、近所のコンビニや路上、車の中などの安全な場所へ身を寄せてください。
「子どもを一人家に残して逃げるなんてかわいそうだ」「家の中を破壊されてしまうのではないか」という不安が頭をよぎるかもしれませんが、人間の命や身体よりも優先される物など存在しません。
親御さんが傷つき、倒れてしまっては、今後の支援や立ち直りの機会すら永久に失われてしまいます。
物理的に家から離れることは、当事者の興奮を冷ます冷却期間を作るためにも、家族の身を守るためにも絶対に必要な第一の緊急避難措置なのです。
家族だけで抱え込まず、外部の公的機関へ繋ぐステップ
家庭内暴力を家庭の中で隠し続けることは、共倒れへの道へ直結します。
外部の専門機関へ強固に繋がることこそが、事態を打開するための唯一の安全なルートです。
緊急時は迷わず「警察」へ。それは本人を守るための行動でもある
家族に対して直接的な身体的暴力があったり、刃物や危険物を持ち出したり、家具を激しく破壊して怪我の危険がある緊急事態においては、迷うことなく110番通報を行ってください。
多くの親御さんが「自分の子どもを警察に通報するなんてできない」「前科がついたらどうしよう」と激しい躊躇を感じて通報を諦めてしまいます。
しかし、警察を呼ぶという行為は、子どもを罰したり見捨てたりするためのものではありません。
第三者の公的な力によって暴力を物理的にストップさせ、当事者本人が「一線を越えて親を傷つけてしまった」という取り返しのつかない罪悪感とトラウマから本人自身を守るための、最も愛ある防衛行動なのです。
警察が介入することで家庭内の異常事態が公的に記録され、その後の福祉や医療機関へのスムーズな繋ぎ(介入)が可能になるという大きなメリットもあります。
命の危険を感じたら、罪悪感を捨てて直ちに警察へ救援を求めてください。
警察沙汰になる前に「保健所」や「精神保健福祉センター」へ相談する
今すぐに警察を呼ぶほどの緊急事態ではないものの、日常的に暴言や威嚇があり家庭内が冷え切っている場合は、地域の「保健所」や「精神保健福祉センター」へ早期に相談に訪れてください。
これらの機関には、精神保健福祉士や心理職などの専門スタッフが配置されており、家庭内暴力やひきこもりに関する専門的なアドバイスを無料で提供してくれます。
当事者本人が相談を拒絶して自室から出ない場合でも、ご家族(親御さん)だけで訪問して相談を始めることが完全に可能です。
なお、暴力を伴う激しい精神的混乱や感情の著しい著破綻が背景にある場合、精神的な不調や疾患が隠れている可能性も考慮し、専門医や医療機関への受信に関するアドバイスを受けることも選択肢となります。
専門家と一緒に安全なアプローチプランを立て、家族以外の「第三者の介在」を家庭内に取り入れていくことこそが、暴力の連鎖を断ち切る確実なステップとなります。
家庭に安全が戻り、少し落ち着いてきたら。年代別の「次の一歩」への選択肢
暴力を振るわれる毎日に耐え、生きて今日まで踏ん張ってくださった親御さん、ご家族の努力は本当に計り知れないものです。
ご自身の安全を最優先にし、どうかご自身を責めるのをやめて外部の支援を頼ってください。
公的機関の力を借りてご家族の安全が確保され、少しずつ家庭内のパニックが落ち着いてきたら、ご自宅から始められる具体的な選択肢を考えてみる余裕も生まれてくるはずです。
小中学生なら自宅でのオンライン学習、高校生なら通信制高校、大人なら無理のない在宅ワークや就労移行支援など、年代に合わせた安全な選択肢が必ず用意されています。
以下の記事を参考に、焦らず次の一歩を踏み出してみてください。
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