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家と社会の中間にある安全な居場所。ユースプラザとはどのようなところか
「部屋の中にずっと閉じこもっている状態から抜け出したい」「家以外の場所へ少しだけ出かけてみたい」と思いながらも、いざ外へ出ようとすると足がすくんでしまうことはありませんか。一般的なカフェや飲食店に入っても周囲の話し声や視線が気になって落ち着かない、趣味のサークルや地域の集まりは人間関係のハードルが高すぎて耐えられない、そんな葛藤を抱えて結局玄関で靴を脱ぎ、自室へ引き返してしまう当事者の方はとても多くいらっしゃいます。また、ご家族にとっても「少しでも外の空気を吸える安心な居場所はないだろうか」と心を痛める日々が続いていることと思います。
元当事者である私自身も、長い引きこもり生活の渦中では、自宅の部屋と過酷な外の世界との間にあまりにも巨大な断絶を感じていました。どこに行っても「働いていない自分」を責められているような居心地の悪さを感じ、逃げるように布団の中へ戻っていた時期があります。社会から長く離れていた状態の人が、いきなり一般的なコミュニティや職場に飛び込むのは、準備運動なしで荒波に飛び込むようなものであり、恐怖を感じるのは至極当然のことです。
こうした「自宅」と「一般社会」の間に横たわる深い溝を埋めるための安全なクッションとして設置されている公的な拠点が「ユースプラザ(子ども・若者総合相談センターや青少年活動支援施設など)」です。自治体や行政の委託を受けた支援機関が運営しており、学校や職場のように何かを成し遂げることを強制されない、立ち止まった若者のための安全なシェルターとして機能しています。
就労や復学を急かされない、ありのままを認められるフリースペース
支援施設と聞くと、「行ったらすぐにアルバイトを探させられるのではないか」「なぜ学校に行かないのかと説教されるのではないか」と強い身構えをしてしまうかもしれません。しかし、ユースプラザの基本的なスタンスは、無理な指導や矯正を行うこととは対極にあります。
施設内に用意されているフリースペースでは、「就学」「就労」「復学」といった具体的な成果を急かされることは一切ありません。訪れた人がただ静かに座り、安全な空間で心のエネルギーを回復させることそのものが目的として尊重されます。何か特別な目的を持たずにふらりと立ち寄り、誰にも責められない穏やかな時間を過ごせる場所だからこそ、張り詰めていた心の緊張を少しずつ解きほぐしていくことができます。
利用する前に知っておきたい「ユースプラザの対象年齢」と条件
「自分のような年齢の人間が行っても場違いではないだろうか」「若者向けの施設に大人が行って迷惑にならないか」と不安に感じる方も少なくありません。利用を検討するにあたって、基本的な制度の枠組みや対象範囲を正しく知っておくことが安心材料になります。
おおむね15歳から30代後半まで。幅広い年代を支える柔軟な制度設計
ユースプラザや子ども・若者支援拠点のおおよその対象年齢は、中学生や高校生年代にあたる15歳前後から、30代後半(場合によっては概ね39歳まで)と幅広く設定されているケースが主流です。近年では、いわゆる若者期から社会的な孤立が長期化している実態に配慮し、年齢の上限を柔軟に広げて受け入れている自治体が増加しています。
利用にあたって厳しい選考や審査が行われることはなく、地域の対象年齢に該当していれば、学校に通っていない方や無職の方、引きこもり状態にある方など、どなたでも利用できる開かれた仕組みになっています。なお、施設の正式な名称や利用できる具体的な年齢枠、利用料の有無や登録手続きの流れは各自治体によって細かく異なるため、必ずお住まいの市区町村の公式窓口や地域支援窓口で詳細を確認するようにしてください。
本人が外に出られない時期でも、まずは親だけの相談から始められる安心感
「本人がまだ部屋から一歩も出られない状態なのに、施設を調べる意味があるのだろうか」と思い悩む保護者の方もいらっしゃいます。しかし、ユースプラザの多くは、当事者本人の居場所としての機能だけでなく、ご家族のための専門相談窓口としての役割も兼ね備えています。
本人が外出できない段階であっても、まずは親御さんだけが窓口を訪れ、家庭内の様子やこれまでの経緯を相談することが可能です。専門の相談員に家族の苦悩を打ち明けることで、親御さん自身の孤立を防ぐとともに、家庭内でどのように接すれば本人が安心できるかのアドバイスを受けることができます。家族が先に支援機関と繋がっておくことが、将来的に本人が外へ出るための安全な受け皿を整える確かな第一歩となります。
ユースプラザでは具体的にどのような過ごし方やリハビリができるのか
実際にユースプラザの扉を開けた後、室内でどのように時間を過ごすのかという具体的なイメージを持っておくことは、初日の緊張感を大きく和らげてくれます。
無理におしゃべりしなくていい。自分のペースで空間を共有する練習
ユースプラザのフリースペースに入ったからといって、スタッフや他の利用者と無理に会話を交わす必要は一切ありません。挨拶を交わした後は、窓際の席に座って持参した本やスマートフォンを眺めたり、備え付けの漫画や雑誌を読んだり、ただぼんやりと外の景色を眺めて過ごすだけでも十分に歓迎されます。
「誰とも話さなくても怒られない」「同じ空間に他人がいても危害を加えられない」という体験を繰り返すこと自体が、過度な対人不安を和らげるための極めて重要で安全なリハビリになります。自分だけのプライベートな領域を守りながら、同じ空間に誰かがいるという感覚に少しずつ慣れていくスモールステップを踏むことができます。
興味やエネルギーが湧いてきたら、小さなイベントやプログラムに加わってみる
空間にいること自体に慣れ、心の中に少しずつ余力が生まれてきたら、施設内で開催されている体験プログラムやレクリエーションに目を向けてみるのも良い方法です。
ボードゲーム会や簡単な工作、イラストやパソコンの基礎講座、軽スポーツや映画鑑賞会など、プレッシャーを感じずに参加できる工夫が凝らされたイベントが定期的に行われています。参加は完全に自由であり、途中で疲れたら自由に抜けることも認められています。共通の作業や遊びを介することで、無理に言葉をひねり出さなくても自然な笑顔や他愛ない会話が生まれ、失われていた人との繋がりの感覚を優しく取り戻していくことができます。
自室の壁を越えて少しずつ他者との繋がりに慣れてきたら。年代別の「次の一歩」への選択肢
まずは家以外の安全な場所に身を置いて、誰かと他愛ない挨拶や空間の共有をすることに少しずつ慣れ、外の世界への恐怖心が和らいできたら、それはあなたが自分の力で新しい未来を歩み始めた本当に大きな回復の兆しです。
家庭以外の居場所に少しでも安心を感じられるようになったら、ご自宅や慣れた環境からスタートできる具体的な選択肢が必ず用意されています。
小中学生なら自宅でのオンライン学習、高校生なら登校が少ない通信制高校、大人なら無理のない在宅ワークや就労移行支援など、年代や状況に合わせた安全な選択肢があります。以下の記事を参考に、焦らず次の一歩を踏み出してみてください。
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