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【元当事者が解説】大人のひきこもりと発達障害(ASD・ADHD)の関係。生きづらさを解消する社会復帰の道筋

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ひきこもりの背景に隠れやすい「発達障害」の特性

「なぜ自分は他の人のように当たり前に職場になじめないのだろう」「どれほど注意しても仕事のミスやトラブルを繰り返してしまい、疲れ果てて部屋にこもるようになってしまった」と、人知れず苦しんでいませんか?真面目に社会へ順応しようと努力してきたにもかかわらず、学校や職場で空気が読めないと責められたり、業務についていけずに挫折を重ねたりすると、人間そのものが恐怖になり自室へと逃げ込みたくなるのは自然な防衛反応です。元当事者である私自身も、周囲と同じように振る舞えない自分を「欠陥品」のように感じ、どうして普通に生きられないのかと部屋の片隅で自分を責め続けていた時期があるため、その出口の見えない苦しさは痛いほどよく理解できます。

しかし、最初にお伝えしたい重要な事実は、あなたが社会から離れることになった原因は「努力不足」や「怠け」ではない可能性が高いということです。近年、ひきこもり状態にある当事者の背景を詳しく紐解いていくと、生まれ持った脳の機能や情報処理の偏りである「発達障害(ASDやADHD)」の特性が深く関係しているケースが非常に多く見られます。世間一般的な「普通」に自分を無理やり合わせようとした結果、不適合を起こして心が折れてしまった状態に過ぎません。まずは、自分の抱える生きづらさの正体を正しく知ることから始めていきましょう。

「怠け」ではない。人間関係や仕事が続かない生きづらさの正体

社会に出て働くなかで、指示の意図がうまく汲み取れなかったり、周囲の雑音や視線に過敏に反応して激しく疲弊してしまったり、複数の作業を同時にこなそうとすると頭がフリーズしてしまったりといった経験はないでしょうか。これらは本人のやる気や根性の問題ではなく、発達障害の特性から生じる脳の疲労やコミュニケーションの困難さです。

自身の特性に気づかないまま社会で揉まれ続けると、職場で人間関係の不和を生んだり、業務で重大な手戻りを発生させたりして激しい叱責を受けることになります。こうした過度な失敗体験が積み重なると、脳と心が限界を迎え、二次障害として強い不安障害やうつ症状を引き起こし、自室という唯一安全な空間に引きこもらざるを得なくなります。つまり、ひきこもりという状態は怠けているのではなく、これ以上傷つかないために心が緊急停止した状態と言えます。

大人になってから気づくASD(自閉スペクトラム症)やADHDのサイン

学生時代までは何とか周囲に合わせて過ごせていたとしても、社会に出て求められる役割やコミュニケーションが複雑化する大人になってから、初めて特性による生きづらさが表面化するケースは少なくありません。社会人になってから急に「生きづらさ」が強まったと感じる場合、特定の特性が隠れている可能性があります。

たとえば、対人関係でのニュアンスや暗黙の了解を理解するのが苦手で、言葉通りに受け取ってしまったり極端なこだわりを持ったりする傾向は、ASD(自閉スペクトラム症)の代表的な特性です。一方で、不注意によるうっかりミスが多い、約束や時間を守るのが苦手、衝動的に感情や行動が出てしまうといった傾向は、ADHD(注意欠如・多動症)のサインと言えます。これらの特性を自分自身の怠惰のせいだと勘違いしてしまうことこそが、最も当事者を追い詰める悪循環の原因となっています。

自分を責めるのをやめ、特性を理解するための最初のステップ

長年抱えてきた生きづらさの理由を解き明かし、自分を責める悪循環から抜け出すためには、客観的な視点と専門的なアドバイスを得るステップが必要不可欠です。

ネットの自己診断で終わらせず、専門の医療機関や窓口に繋がる

インターネット上の発達障害チェックリストなどを見て、「自分は間違いなく発達障害だ」と納得したり、逆に「当てはまらないからただの自分が悪いんだ」と落ち込んだりする方は多くいらっしゃいます。しかし、ネットの情報だけで自己診断を下したり諦めたりすることは非常に危険です。発達障害の特性は非常にグラデーションが深く、個人によってあらわれ方が全く異なるためです。

まずは、精神科や心療内科、または大人の発達障害に対応している専門外来を受診し、心理検査や医師による丁寧な問診を受けることを強くおすすめします。なお、病院へ通院することが難しい場合は、お近くの発達障害者支援センターや自立相談支援機関などに相談を入れるだけでも、今後の進め方に関する助言を得ることができます。なお、発達障害の診断や症状の軽減には個人差があり、特定の治療やトレーニングによって「必ず治る」と断定できるものではありません。気になる症状や生きづらさがある場合は、自己判断せず、必ず専門の医療機関を受診して医師の適切な診断と指導を受けるようにしてください。

診断が下りることは、適切な支援への扉を開く「鍵」になる

病院で正式に発達障害の診断を受けることに対して、「障害者の烙印を押されるのではないか」「自分の人生が終わってしまうのではないか」と強い恐怖や拒絶反応を感じる方もいらっしゃいます。しかし、実際には全く逆であり、診断が下りることは自分を縛り付けていた呪縛から解放され、適切なサポートを受けるための強力な「鍵」となります。

医師からの診断や障害者手帳を得ることで、自分の取扱説明書を手に入れることができます。自分がどのような環境で困りやすく、どのような配慮があれば能力を発揮できるのかが明確になるためです。さらに、企業に自分の特性を開示して合理的な配慮(業務内容の限定やマニュアル化、指示の視覚化など)を受けながら働ける「障害者雇用枠」への応募資格が得られるため、一般雇用の厳しい競争で消耗するリスクを大幅に回避できます。

特性と付き合いながら、無理なく社会復帰を目指す方法

自分の特性を理解した後は、無理に「普通の人」を目指して自分を改造しようとするのではなく、自分の特性に合った環境や働き方を選択していくアプローチへ切り替えていきましょう。

一般の就活で消耗する前に、特性に合った働き方を知る

ひきこもり状態からの社会復帰を焦るあまり、過去の挫折原因を分析しないまま一般求人へ応募し、面接で空白期間をうまく説明できずに不採用が続いたり、運良く採用されても再び職場環境になじめず即日離職してしまったりする事例は後を絶ちません。一度傷ついた心で再び同じ挫折を繰り返すと、社会への恐怖心が決定的なものになってしまいます。

世の中には、満員電車に乗らず自分のペースで作業できる在宅ワークや、対人コミュニケーションが最小限で済む黙々作業の職種、配慮の行き届いた障害者雇用など、多様な働き方が存在します。自分の苦手な部分を根性で克服しようとする努力をやめ、自分の特性が障害になりにくい環境や職種を慎重に選ぶことこそが、安全に社会と繋がり続けるための賢明な戦略です。

障害への専門的なサポートがある「就労移行支援」を活用する

「自分に向いている仕事が分からない」「自分の特性をどう人に説明すればいいか分からない」という場合に非常に力強い味方となるのが、障害者総合支援法に基づく福祉サービスである「就労移行支援事業所」です。

就労移行支援事業所の中には、発達障害(ASDやADHD)の支援に特化した専門のコース(atGPジョブトレなど)を開設している場所があります。こうした専門の事業所では、自分の特性や失敗の傾向を客観的に分析する自己理解プログラムや、職場で躓きやすいビジネスマナーや指示の受け方、ミスの防ぎ方を模擬職場でトレーニングすることができます。専門知識を持ったスタッフや、同じ特性や悩みを持つ仲間と一緒に準備を進められるため、過度なプレッシャーを感じることなく、自分に合った職場への就職と定着を目指すことができます。

焦らず自分のペースで。年代別の「次の一歩」への選択肢

発達障害の特性を持って生きることは、決して欠陥でも恥でもありません。それは単なる「個性や脳のタイプの違い」であり、自分に合った環境さえ見つけることができれば、誰しもが穏やかに自分らしく社会の中で生きていくことができます。

ご自身の生きづらさの理由が少し見え、自分に合ったペースで歩んでみようと思えたら、ご自宅から踏み出せる具体的な選択肢があります。小中学生なら自宅でのオンライン学習、高校生なら通信制高校、大人なら発達障害の特性に配慮したサポートを受けられる就労移行支援など、年代や状況に合わせた安全な選択肢が必ず用意されています。以下の記事を参考に、焦らず次の一歩を踏み出してみてください。

>>【小中学生向け】自宅学習の「出席扱い」と安心できる居場所の探し方

>>【高校生向け】通信制高校で確実に高卒資格を取る方法!選び方と資料請求の手順

>>【大人向け】ひきこもりから無理なく社会復帰する仕事選び!空白期間や対人不安を乗り越える方法

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