※本ページはプロモーションが含まれています
美容院や歯医者に行けない…ひきこもりの高い「外出の壁」
髪が伸び放題になって鏡を見るのも辛いけれど、美容院でおしゃれな雰囲気に気後れして入れない、歯が痛むのに「なぜ今まで放っておいたのか」と怒られるのが怖くて歯科医院の予約が取れない、といった悩みを自室の中で一人抱え込んでいませんか?世間一般の人々にとっては日常の何気ない用事に過ぎない髪切りや通院であっても、社会との繋がりを絶っている当事者にとっては、富士山に登るかのような途方もなく高いハードルに感じられるものです。元当事者である私自身も、ボサボサに伸びた髪を帽子で隠しながら外の視線を恐れてコソコソと歩いたり、痛む歯を市販の鎮痛剤で誤魔化し続けて夜も眠れなくなったりした苦しい経験があるため、その足がすくむような強い恐怖心は痛いほどよく理解できます。
日常的な身だしなみのケアや医療機関へのアクセスが途絶えてしまうと、「まともな身なりすら維持できない自分」「健康管理すらまともにできないダメな人間だ」と激しい自己否定感に苛まれるようになります。しかし、最初にお伝えしたい大切な考え方は、美容院や病院に行けないのは決してあなたの我慢強さが足りないからでも甘えているからでもないということです。傷つき疲弊した心が、他者からの不遠慮な言葉や評価から身を守ろうとしている至極当然の防衛反応であることを、まずは理解してあげましょう。
「今の自分を見られるのが怖い」という強い対人不安
美容院や病院に行けない最も根深い原因は、他人の視線に対する強い恐怖感と対人不安です。長期間部屋の中に閉じこもっていると、自分の外見や清潔感に対する自信が失われていき、「こんな酷い身なりで行ったら店員や他の客に笑われるのではないか」「不摂生な生活をしていると呆れられるのではないか」という不安が脳内を支配するようになります。
明るく清潔感に溢れた美容院の店内や、健康な人々が行き交う待合室という空間そのものが、今の自分とのギャップを容赦なく突きつけてくる拷問のような場所に感じられてしまうのです。自分の存在を否定されるのではないかという妄想に近い強い恐怖心が働くため、身体が拒絶反応を起こして玄関のドアを開けることすらできなくなってしまいます。
美容師や医師に空白期間や職業を聞かれることへの恐怖
外見上の不安以上に当事者を追い詰めるのが、施術中や診察中に行われるコミュニケーションや質問への恐怖です。美容院の鏡の前で椅子に座らされた際、「今日はお仕事のお休みですか?」「普段はどのようなことをされているんですか?」といった世間話(スモールトーク)を振られる瞬間は、当事者にとって息が止まるほどのプレッシャーとなります。
また、歯医者や内科などの医療機関においても、問診票の職業欄をどう埋めればいいのか迷ったり、医師や看護師から「どうしてここまで放置したのか」と問いただされたりすることに対して強い恐怖を感じます。自分の触れられたくない空白期間や現在の状況に立ち入られる危険があるからこそ、人は自分の身を守るために「行かない」という選択をせざるを得なくなるのです。
髪を切る・治療を受けるための現実的な対策と乗り越え方
美容院や病院に行けない状態を克服するために、無理をしておしゃれなサロンに通ったり、完璧な患者としてふるまったりする必要は一切ありません。自分にとって最も負担が少なく、対人ストレスを最小限に抑えられる現実的な代替手段や工夫を取り入れていきましょう。
美容院を避けるなら1000円カットやセルフカットを活用する
髪の毛を整えたいけれど美容院の空間や会話がどうしても耐えられない場合、非常におすすめなのが短時間でカットのみを行う低価格のカット専門店(1000円カットなど)や、自宅でのセルフカットです。カット専門店は世間話などの雑談を行う文化がなく、着席してから拾分程度で黙々と髪を切ってくれるため、世間話を振られる心配がほとんどありません。事前に希望の髪型の写真や切りたい長さをスマホで提示すれば、最小限の受け答えだけで静かに施術を終えることができます。
また、外に出ること自体がまだ辛い時期であれば、インターネットでバリカンやヘアカッターを購入し、自室の鏡の前で自分で髪を整えてみるのも素晴らしい方法です。最初は失敗しても構いません。完璧な髪型を目指すのではなく、前髪が目にかからないようにする、耳の周りをすっきりさせるといった「清潔感を保つこと」を目標にすれば十分です。自宅出張カットサービスを行っている地域の理容師や美容師を探してみるのも一つの選択肢となります。
歯医者や病院は「事前連絡」で事情を伝えておくのが一番の安全策
歯の痛みや身体の不調を我慢し続けることは、最悪の場合、全身の深刻な病気へと進行してしまうリスクがあるため、放置し続けることは非常に危険です。病院へ足を運ぶための最も効果的で安全な方法は、事前に電話やインターネットの備考欄、または紙に書いたメモを通じて「対人不安が強く会話が苦手であること」を病院側に伝えておくことです。
予約時に「長年体調を崩しており、人と話すのが非常に苦手なので、治療に必要な最小限の会話だけにしていただけると助かります」と一言伝えておくだけで、医師やスタッフは配慮した対応をとってくれます。現代の医療機関はメンタル面に不安を抱える患者への配慮が進んでおり、問診票の職業欄も空欄のまま提出しても一切咎められることはありません。なお、心身の著しい不調や痛みを抱えている場合は、決して自己判断で放置せず、お近くの適切な専門医や医療機関へ相談し、医師の適切な診断を受けることを最優先にしてください。
家族がサポートできることと、無理をしない心構え
当事者が身だしなみや通院に悩んでいる際、ご家族が良かれと思って「みっともないから早く髪を切りに行きなさい」「歯医者くらい一人で行きなさい」と叱責することは逆効果になります。ご家族側も適切なサポートの距離感を把握しておくことが大切です。
完璧な身だしなみを求めず、まずは清潔さと健康を最優先にする
ご家族に心がけていただきたいのは、当事者に世間一般的な流行のおしゃれや完璧な身だしなみを強制しないことです。部屋の中で本人が快適に過ごせており、爪を切り、お風呂に入り、最低限の清潔感が保たれていれば、髪型が少し整っていなくても焦る必要はどこにもありません。
もし病院への通院が必要な場合は、親御さんやご家族が受付まで同行してあげたり、問診票の記入を代わりに手伝ってあげたり、車で送り迎えをしてあげるなどの外枠のサポートを提供してあげてください。家族が一緒についてきてくれるという安心感があるだけで、当事者の外出への恐怖心は大幅に和らぎます。一度にすべての課題をクリアしようとせず、一つひとつの小さなハードルを焦らず一緒に越えていく姿勢が何よりも求められます。
日常のハードルが少し下がったら。年代別の「次の一歩」への選択肢
髪を切ったり、必要な治療を受けたりと、日常の小さなハードルを一つ越えることができたら、それは失われた自信を取り戻す大きな成功体験になります。少し心に余裕が生まれてきたら、次はご自宅から踏み出せる具体的な選択肢があります。小中学生なら自宅でのオンライン学習、高校生なら通信制高校、大人なら対人ストレスの少ない在宅ワークや就労移行支援など、年代や状況に合わせた安全な選択肢が必ず用意されています。以下の記事を参考に、焦らず次の一歩を踏み出してみてください。
>>【小中学生向け】自宅学習の「出席扱い」と安心できる居場所の探し方