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受験や大学での挫折から「ひきこもり」になってしまう理由
「第一志望の大学を目指して浪人までしたのに、結果が出ずにすべてが嫌になってしまった」
「大きな夢を抱いて海外留学へ飛び立ったはずなのに、環境に馴染めず挫折し、大学の講義にもついていけなくなって自室から出られない」と、積み重ねてきた努力が瓦解したような強い絶望感に苛まれていませんか?
10代後半から20代前半という青年期は、人生の大きな岐路が次々と訪れる時期であり、周囲からの期待も高まるタイミングです。
真面目で責任感が強く、これまで親や周囲の期待に応えようと懸命に走ってきた人ほど、一度躓いてしまった時の衝撃をダイレクトに受けてしまい、心が折れて自室に引きこもってしまう傾向があります。
元当事者である私自身も、過去に思い描いていた人生のプランが音を立てて崩れ去り、同年代の仲間たちが社会で順調にキャリアを重ねている中で、自分だけが自室の暗闇に取り残されたような激しい焦りと敗北感に震えていた経験があります。
そのため、23歳前後という大人としてのスタートラインを目前にして、足元が完全に崩れ去ってしまったような恐怖は痛いほどよく分かります。
しかし、最初にお伝えしたい非常に重要な事実は、大学や受験での挫折は、あなたの人間としての価値や能力を否定するものではないということです。
まずは、なぜこれほどまでに心が深く傷つき、動けなくなってしまったのか、その根本にある心理を紐解いていきましょう。
浪人・留学の失敗や、就活の行き詰まりがもたらす強烈な絶望感
浪人生活でのプレッシャーや、多額の費用をかけて臨んだ留学での挫折、あるいは大学での単位不足による留年や就職活動(就活)での全人格を否定されるような不採用の連続は、若者の心身に深刻なダメージを与えます。
「あれほど時間とお金をかけて頑張ったのに、何一つ成果を出せなかった」という不全感は、自分の存在理由そのものを揺るがすほどの強烈なトラウマとなります。
特に、就職活動の時期である22歳から23歳前後という年齢は、「ちゃんとした大人になって社会に出なければならない」という重圧が最高潮に達する時期です。
周りの友人が次々と内定を得て社会へ飛び立っていく姿を横目に、自分だけがどこにも行き場がないという状況に直面すると、脳は過剰なショックから身を守るために思考を停止させ、結果として自室という安全な場所に逃げ込むしかなくなるのです。
このひきこもり状態は、決してあなたが怠けているからではなく、キャパシティを超えた激しい挫折体験から心身を守るための本能的な緊急避難なのです。
「敷かれたレール」から外れてしまったという深い後ろめたさ
幼少期から「良い高校に入り、良い大学に進学し、良い企業に就職する」という順風満帆なレールを走ることを求められてきた人にとって、そこから踏み外してしまうことは人生の終わりを意味するように感じられます。
「高い学費を出してくれた親に顔向けができない」「親戚や知人に今の情けない自分の状態を知られたくない」という強い羞恥心と罪悪感が、当事者の心を深く締め付けます。
その結果、誰とも顔を合わせたくなくなり、家族の視線から逃れるようにして自室のドアを固く閉ざしてしまうことになります。
しかし、世間が提示する「ストレートで大学を卒業して就職する」というルートは、数ある生き方のうちのたった一例に過ぎません。
レールから外れたと感じているのは、あなたがそれだけ誠実に自分の人生に向き合い、もがき苦しんできた証拠でもあります。
敷かれたレールから外れたからといって、あなたの人生がそこで途絶えるわけではないということを知ってください。
大学に行けなくなった時に取れる「現実的な選択肢」
大学に通うことが苦しくなり、自室から出られなくなったとき、頭の中がパニックになって極端な決断を下そうとしてしまうことがあります。
まずは冷静になり、自分自身を守りながら取ることができる現実的な選択肢を整理していきましょう。
「休学」は逃げではない。自分を守るための正当な充電期間
もし現在、大学に籍を置いたまま部屋から出られない状態にあるのなら、真っ先に検討すべきなのは「休学手続き」を行うことです。
「休学をするなんて同級生から遅れてしまう」「逃げなのではないか」と自分を責める必要は全くありません。
休学とは、傷ついたメンタルと身体を安全に休ませ、エネルギーを蓄電するために大学制度の中に用意されている正当な権利です。
無理をして大学へ通おうとし、精神的に限界を迎えてそのまま中退してしまうよりも、一度休学届を提出して「今は大学のことを考えなくてもいい期間」を物理的に作ることの方がはるかに安全です。
休学期間中は、復学するか中退するかといった重い決断を一切保留にし、ただひたすら自分の部屋で心身のバッテリーを回復させることだけに専念してください。
時間が経ち、心のエネルギーが少しずつ溜まってくれば、また違った景色や選択肢が見えるようになってきます。
「中退」を視野に入れる場合でも、人生の選択肢は無数にある
休学期間を経ても大学に戻ることが難しい場合や、すでに退学を余儀なくされている場合であっても、絶望する必要はどこにもありません。
大学を中退したからといって、その後の人生がすべて閉ざされるわけでは決してないからです。
現代の社会においては、高卒や大学中退という経歴からでも、自分のペースで働ける在宅ワークや通信制大学への編入、自分の特性に合った専門スキルを学んで再起を図るルートなど、無数の選択肢が用意されています。
大学という一つの環境が自分に合わなかっただけであり、それはあなたの人間性の否定ではありません。
無理をして合わない環境に自分を合わせようとするのをやめ、「中退という選択をして、自分に合った別のルートへ乗り換える」と捉え直すことで、肩の荷がすっと軽くなるはずです。
焦らずに「自分の自信」と生活の土台を取り戻すステップ
挫折の痛みから立ち直り、再び自分の足で歩き出すためには、いきなり高い目標を掲げるのではなく、身近な足元から整えていくことが大切です。
学歴への未練を一度手放し、家でできる小さな作業から始める
受験や大学での挫折を経験した人が最も苦しむのは、「かつて優秀だった自分」や「もっと良い大学に行けるはずだった」という学歴や過去への未練です。
過去の理想の自分と、現在の動けない自分との落差に苦しむときは、一旦その高いプライドや未練を横に置いてみましょう。
そして、まずは「自分の部屋の中でできる極小の作業」から自信を取り戻していくアプローチが効果的です。
部屋の掃除を少しだけする、好きな本や動画から知識を得る、パソコンを使って在宅でできる簡単な作業(データ入力やアンケート回答など)で少額でも自分の力で稼いでみるなど、家の中で完結する小さな達成感を積み重ねていきます。
誰の目も気にせず、自分のペースで「できた」という実感を積み重ねることが、傷ついた自己効力感を確実に修復してくれます。
完璧な正社員を目指さず、特性や体調に合った支援機関を頼る
ひきこもり状態から抜け出そうとするとき、「すぐに一般的な正社員としてフルタイムで働かなければならない」と考えてしまうと、そのプレッシャーで足がすくんでしまいます。
最初から100点満点の社会復帰を目指す必要はありません。
20代や23歳前後の青年期であれば、若者サポートステーション(サポステ)や自立相談支援機関、あるいは自分のペースで通いながらスキルを身につけられる就労移行支援など、若い世代を支えてくれる公的な支援機関が多数存在します。
自分の対人不安の強さや体調の波に合わせて、まずは週1回の相談から始めたり、在宅で学べる環境を活用するなど、グラデーションのように少しずつ社会との繋がりを広げていくのが最も安全な方法です。
一人で抱え込まず、若い世代の悩みに理解のある第三者の機関を頼ることで、自分一人では思いつかなかった新しい道筋が必ず拓けてきます。
レールを外れても大丈夫。年代別の「次の一歩」への選択肢
大学や受験での挫折は、あなたの人生の失敗ではなく、あなたに合わない生き方を教えてくれた大切なシグナルです。
挫折の苦しみを知り、それでも今日まで自室の中で必死に自分の命を守り抜いて届いてくれたあなたは、十分に勇敢で強い存在です。
せっかくの大学を休学・中退することに強い罪悪感や葛藤を感じるかもしれませんが、決してあなたの人生が終わったわけではありません。
少し心に余裕が生まれてきたら、焦らずご自宅から無理なく踏み出せる具体的な仕事や復職へのステップをチェックしてみてください。